ごあいさつ

 日本の医療はめまぐるしく変貌を遂げています。その特徴の一つは、より細分化された専門に特化した高度医療、そしてもう一つは人口構成の変化による急速な高齢化に対応するための地域医療です。高齢化は都市部よりも過疎化の進んだ地域において、より顕著にみられます。そのため、地域医療に携わるとき、医師個人が望むと望まざるとにかかわらず、診断を求められる疾患は多くの科にまたがり多様性をもつことがしばしばです。それに伴い、私たち医師に求められるスキルもより広範囲になってきています。言い換えれば、地域医療において患者に最初に接し診断を求められる医師には、すべからくその症状を総合的に判断し、専門的な治療に結び付けるための「選別と選択」の能力が求められるのです。これはまさに、医療の原点回帰ともいうべき「家庭医」「総合診療医」の存在意義が見直されているということにほかなりません。
 
 この現実を踏まえ、2018年度より「総合診療専門医」を鹿児島県全体で育成することを理念として、「鹿児島総合診療研修プログラム」がスタートしました。本プログラムは、垂水市立医療センター垂水中央病院が基幹施設となり、鹿児島県の地域医療を支える県下35の公的病院・診療所が協力して運営しています。
 
 さらに2020年度からは、総合診療領域のサブスペシャリティとして、日本プライマリ・ケア連合学会認定の家庭医療専門医プログラム「鹿児島家庭医療専門研修プログラム」が新たに稼働しました。
 
 本ホームページでは「総合診療専門医」研修プログラムとともに、「家庭医療専門医」研修プログラムについても紹介しています。鹿児島県において、総合診療、地域医療、地域包括ケアに興味のある、意欲に満ちた若い先生方のご参加をお待ちしております。

プログラム基幹施設 垂水市立医療センター垂水中央病院
プログラム統括責任者 桑波田 聡